毎度様です~ オイルポンプ動画拝見致しました。 近年は便利な高性能シールセットが売ってるんですねえ~ で、オイルポンプの調整ですが、これはホンダの場合はワイヤーでレバーを引き、内部のカムの押し具合にてプランジャ(ピストンみたいな物)の具合を変更する部分と、オイルポンプシャフトからの回転入力でポンプ自体の回転数を変動させる2つの仕組みで吐出量を変更しています。 基本、シャフト回転の方はエンジン回転数と共に高回転になるのでオイルの圧送力とでも言いますか、出口側へオイルを押し出す力の源になっており、これはコントロールする事が出来ません。 が、内部カムの方はカムであるが故、小難しい点は省きますがある程度は全開時のオイル量をコントロールする事が可能になりますね。 (※本当はレバー開度=吐出量では無いのですが…)
で、私はオイルポンプの調整を行う事もあるのはHPにも記しているかなと思うのですが… これはあくまで、「オイルポンプが純正新品の完動状態かつ、エンジンがノーマルでそれなりのオイルを使っている」場合のみです。 基本的にはチューニングエンジンの場合は、分離給油オイルを減らすのはリスクが高まるだけで何のメリットもありません。 仮に吐出オイル量が多めだとしても、あくまでそれはノーマルやノーマルレーサー相手でのお話と言う感じですね。 ストリートでは当然ですし、レーサーでもチューニングエンジンならばごくわずかの抵抗減の為に、そんな意味の分からない多大なリスクを追う事は無いでしょう(汗
そして少し話が逸れるのですが…これはご存じない方が大半、と言いますか私自身、昔から結構話しているのですが。 ホンダ2stスクーター系のオイルポンプって、出口側のワンウェイバルブ部分が経年劣化で詰まって駄目になる事がとても多いです。 よく、ホンダ系オイルポンプのトラブルだとシャフト側のシールが劣化して、停車時にそこからオイルが漏れてしまいクランクケースに溜まる、と言うのがありますが… これ、実は前述の「出口のワンウェイバルブが詰まっているから、内圧が高まりシール側からオイルが抜ける」事もあるんですよ。
この場合だと、下手にシールを新品交換してしまうとケース側へのオイル漏れが0になってしまい、その上キャブ側へオイルが一切送られないという最悪の状態になります。 そこまで行かずとも、オイルの吐出量が新車状態よりも減り気味の車両の場合、下手にシールを交換するととどめを刺す可能性は高いんですよね… むしろ、シールからクランクケース内へのオイル漏れがあるからこそギリギリ持っている、という悪夢も現実として存在しますので。 …これ、あまり信じて貰えませんが嘘の様な本当の話です(泣 Dio系のオイルポンプの出口は、↓この様な構造になっているんですがこの「玉」が不純物により動かなくなってしまう事があるんですよね。
もちろんオイルタンク側にストレーナはありますが、添加剤まみれのオイルとか変な物を入れているとストレーナーを通り越して個々の出口が詰まる、という… 私自身、人生において2度程そんな経験がありますので参考までにどうぞ。
で、オイルポンプをOHした場合、「オイル燃費」が今までと変わっているかどうかを計測しておく方が良いです。 ざっとですが、ホンダの2st50㏄原付一種エンジンだと、ガソリン燃費がリッター25km走るとして、1000㎞位走ればオイルは1L程度消費しています。 と言う事は、オイルはガソリンに対して1/40の消費量になる訳でして、混合比換算だとおおむね40:1なんですね。 かいつまんで言えば、燃費がリッター25kmだとすれば、1000㎞走って1L位はオイルタンクからオイルが減らないとおかしい、と言う事で。 仮に1000㎞走ったのにオイルは500㏄も減っていない、となればオイルポンプ出口が詰まり始めている兆候ですが、他に判断する手段はありません。 アイドリング等で透明ホースを繋ぎ、ちゃんとオイルが圧送されているのを確認しても、それが実走や高回転で同じく安定しているか、と言えばそうではない事もありますので。
本当にこのあたり、ホンダ系特有の最悪トラブルなのでお気に留めて頂ければ、と思います。 だからこそ私は、何十年も経った中古オイルポンプなんて信用していませんし、チューニングエンジンなら保険としても半混合給油が必須だと考えておりますよ。 純正オイルポンプが新品で買えるならまだしも、それはもはや不可能ですので、ね(泣 安定していたエンジンがいきなり焼き付いたりする場合、コレの可能性もあるという事で。 では長文で申し訳ありませんが参考にして頂けますと幸いです。
とても詳しくありがとうございます。
次回の動画で丸々紹介させて頂きます。
感謝いたします。 m(__)m